赤い刻印 - Secret Love -
「意外かな?」
「意外すぎでしょ。花とか全然興味なさそうだもん」

麻美がそう言ってケラケラと笑うものだから私も合わせて作り笑いをする。


「…意外で悪かったな」
「!!」


後ろから聞こえてたそんな低音ボイス。
私と麻美は同時に振り返ってその声の主を確認する。

そこに立っていたのは噂の張本人 "村田先生" だった。


「聞いてたの?先生」
「まあな」
「化学教師が花なんて何だかおかしいよね」


麻美がニヤニヤしながら私に同意を求める。
私は何と答えて良いのか分からなくて適当に笑っておくことにした。

「そんなことより掃除の時間だぞ。早く教室戻りなさい」
「はぁーい」
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