赤い刻印 - Secret Love -
「俺が変えてやるよ」
「え?」
「矢沢のこの傷跡を」
「先生…」

先生はもう一度その場所に口付けて、そのまま首筋そして唇へとキスを落としていく。
しかも今度はさっきのと比べ物にならない"大人のキス" だ。


「…っ、んん!」

突然のデイープキスに私はただジタバタすることしかできない。
こんなキスはほとんどしたことがなくて。
まともに息ができないから脳に酸素が回らなくてクラクラする。


" 彼の理性がぶっ飛ぶとこ、見てみたい "


興味本位からずっとそう思ってた。
だけど実際にそうなった今、私にはそんな余裕も強気な気持ちもなくて。

でもたった分かったことがひとつある。
真面目でクールな村田先生も『ただの男』なんだってこと。
私はそんなこと思いながらもう一度瞳を閉じたー。



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