それは無理です
『同意の上なら同罪でしょ?吏苑だけのせいにしないの。あなたも信用してなかったわよ、私。』

「…今もか…?」

無表情なりに不安そうな顔が、少しだけわかる。

『…そうね。今でもあなたと吏苑の間には入るつもりはないわよ。そう思ってるってことは、信用とかそれ以前の問題よね。…ごめんなさい。』

「叶は完全にオレを切るつもりなんだな。」

静かに呟くように言うちか。

何も言えない私。

「…でも、諦めないけどな。男なんて他に作ってみろ。そいつには二度と会えなくなるからな。」

さすがヤクザ。

作るつもりなんて、今はそんなこと考えたこともなかったけど、気を付けよう。

きっと憶測だけでもやっちゃいそうだから、なるべく誤解されないようにしないと。

『…女ならいいの?』

こわっ!

ちょっとしたお茶目な発言なのに~。

顔も目も雰囲気も恐い!

無言で睨み付けるちかさん。

『冗談よ。私、バイじゃないし。』

「なんでオレと交互に見るんですかっ。オレも違いますよ!」

吏苑が泣きそうになりながら、訴えてくる。

う~ん。

そこは信用してないかも。

なんてね。
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