それは無理です
なんだか桃が旦那みたい。

それをそのまま伝えてみる。

勝ち誇った顔でちかを見てる桃。

こりゃ余計な事言っちゃったかな。

睨み合う二人。

『桃の方が確かに良い旦那さんになりそうよね。子供好きだし、面倒見いいし。』

追い打ちかけてるみたい?

ますます恐い顔のちか。

「…次はオレがかえる。」

あら。

やっと言ったわね。

これを言わせたかったっていうのもある。

だって、父親っていうならそれ位はしてもらわないと。

親と子のふれあいは大事なことでしょ。

『よろしくね。』

笑顔で返す私をじっと見てくるちか。

『何?』

無表情で見てくるから読めない。

「…オレに向けた笑った顔が見てたいだけだ。」

は?

「滅多に笑わねぇだろ。つか、あれ見てから笑ったことない。それが嫌で、あん時急にしてきた吏苑を殺そうかと何度か思った。」

あん時…ああ、キスね。

私の中で、あれを見てしまった過去は消し去りたい汚点だわ。
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