五感のキオク~触れたくなる その肌~
すっかり帰り支度を終えた友人は、「じゃあ帰るね。ここはご馳走になっても?」と微笑んで言う。


「あ、え?もう、帰るの?」



まだ時間はたっぷりあるはず。

今日は夕方まで大丈夫って最初に言っていたのに。



「あたりまえじゃない!元気な姿見られたし、それに、」



チラリと携帯を見てから



「早く彼に会いに行っておいで」

「でもっ、」

「せっかく今数年来の答え合わせしたんだから。確かめておいで?」



そう言って彼女は席を立ち、出口へと歩いていった。






残された私は携帯のメール画面を呼び出し、返信ボタンを押す。





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今すぐに

私に触れて


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メールを送った後すぐに携帯が震える。


彼からの着信。





家に居るという彼は30分でこちらに着くという。

30分も待てない。

電車で行けばその半分、いや20分程で着く。



私は慌てて会計をすませて店を出た。

小走りで駅に向かい来ていた電車に飛び乗った。
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