五感のキオク~好みの彼に出会ったら~


「なっ、おまえ今、何っ?」



もう2回もそれ以上の関係になっているのに、服を着たままでキスしたのはこれが初めて、

そんなシュチュエーションに彼は驚いたのだろう。



それにしても、顔真っ赤―――



「おまっ、だからあの人とはどうだったんだよって」

「だから言ったでしょう?別に何ともないわよって」

「だから何ともないって、おまえアイツのことかなり好みって顔してたじゃん」


途中から勢いがなくなってたのはわかったけれど。


「ん。好みよ、すっごく」

「はぁ?!」


眉間にしわを寄せてるけど。でもね。


「でも、それだけ。」

「それだけって?意味わかんねー」


怪訝な顔をしたままの同僚にはきちんと説明をしないとわからないだろう。


「だって好みだからって好きになるかどうかなんてわかんないじゃない?」

「いや、だって、あれだろ?」

「なに?まさか私があの人と、どうにかなって欲しいわけ?」


このままじゃ話の進まない。そう思ったらつい言ってしまった。

そんな事、思ってもいないのに。


「だから、そんな事言ってないだろ?」


途端、立場が逆転。

怒気をはらんだ声が飛んできた。
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