君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
そんなわけで、世間はクリスマスイブに沸き立っているけれど、私の今日の予定はクロスカフェのバイト、それだけだ。


澪音から貰ったとびきり綺麗なネックレスを身に付けて、その他は普段通りのあっさりとしたメイクで髪も動きやすいようにまとめておく。


店に行く前に自宅に寄って、溜まった郵便物を受けとるのもお決まりの道順となっていて。


でも今日は、たくさんのダイレクトメールに紛れて、予想外の通知を発見した。


「信じられない……受かってる……!」


送られてきたのは、小さなステージのバックダンサーのオーディション結果。単発の仕事だけれど、飛び上がるほど嬉しい。


オーディションを受けるだけ書類と交通費の無駄のような気がしていたけれど、無駄じゃなかったんだ……!


「これって……最高のクリスマスプレゼントかも!!」


その通知が嬉しすぎて、私は完全に締まりのない顔でクロスカフェで働いていた。

店にはBGMのクリスマスソングが流れている。澪音の演奏が流れていれば最高のひとときなんだけれど、贅沢を言ってはいけない。


そのうちに多くの予約客で賑わう夜が来て、その夜もふけ、少しずつ客足が減ってくる。


「今日ここで柚葉さんに会えるなんて、ラッキーだな」


と言ってくれるのは、常連の杉崎さんだ。仕事終わりなのか遅くにやって来て、いつものようにビールと本日のお薦め料理をオーダーしている。
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