千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
「今日は何時までいるんですか?」




「9時くらいかな」




それは、夜の練習だって変わってない。



先輩は最近、また上手くなった気がする。





…ん?



「…なんか先輩、癖できました?」





「どこが!?」




先輩がすごい勢いで近づいてくる。




近い近い近い!!!




「や、今まで気づいて無かっただけかもしれないですけど足が重そうに見えるっていうか
ジャンプが足りないっていうか…」





「ああ!それか?最近飛びすぎると逆にしんどいことに気づいたからあまり飛ばないようにしてるんだ」





「そうなんですね」




でも私、前の先輩のシュートのフォーム好きだったんだけどな〜。残念!





「そんなに変か?この癖」





「変ってほどじゃないですけど…でも、先輩のシュートって高いジャンプのイメージがあったのでもったいない気もします。
そこまで低いジャンプにこだわるメリットもあまり無い気がしますし」





「やっぱりそうか〜。でもな、しばらくはこれで行こうと思う。試合の時にどっちも対応できた方がいいだろ?」





「そうですね」




…?なんか、千秋先輩今日様子が変?



いつもだったらもっと悩みそうなのに。
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