千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
「何やってんの綾。うるさいんだけど」




ドアが開いて、瑠璃が迷惑そうな顔で唸る。




「うわ輝もいんじゃん。あと…誰?」





「こら瑠璃!」




 
「綾乃さんと同じバスケットボール部のキャプテンをしています、園田千秋です」





「…あー。"千秋先輩"」




瑠璃が薄ら笑いを浮かべて先輩を指差す。


本当失礼だからやめて!!





「瑠璃!」





「夜分遅くにご迷惑をおかけしてすみません。
帰ります。行くぞ輝」




「えっはい。ごめんねるりりん!」





「うざい」




先輩は全くこっちを振り向かないで
輝と帰ってしまった。





「ごめん瑠璃。そんなにうるさかった?」





「ううん。あたしは全然聞こえなかったんだけど、
美月ちゃんが。綾が困ってるから助けてあげてって」





「お姉ちゃんが?」





「部屋の窓開けてたから気づいたんじゃない?
今部屋にいるよ」
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