キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

「あの、本当に……」

気にしてないのかな?と思う。なんだか少し気分を害してしまったようにも思えて表情を窺うと、

「……いいと言っただろ。そんなのは、聞き慣れてるんだよ。二代目の性のようなもので。だから、おまえが気にすることはない」

「あ…またおまえって……」

呟いて、そう言えば自分の名前をまだ知らせてなかったことに改めて気づいた。

名前を告げようとして、一瞬どうしようかとためらって、名刺に目を落とした。

……身元ははっきりしてるんだし、教えても大丈夫かな……。

なんとなくこのまま別れがたいような気もちもあって、持っていた自分の名刺を彼に差し出した。


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