キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
……運ばれてくる料理は、どれも美味しくて、こんなの食べたこともないと感じる。
けれど……周囲の雰囲気に、しっくりと溶け込んでいる彼に比べて、
自分の場違い感がどうにも気になって、フォークとナイフの扱い方にすら必要以上に緊張するというか……
さっきから、お皿にナイフやフォークをぶつけて、カチャンカチャンと鈍い音がしている。
……恥ずかしすぎる。そう思いながら彼の方を見れば、
優雅とも言える手つきで、ナイフとフォークを操っていた。
「はぁ…」
自分とのあまりの違いにため息が出ると、彼が、
「どうかしたか?」
と、顔を上げた。