何度でも、愛を叫ぶ。


なんで…?


もしかして、伊藤くん。


「…知ってたの?」


「あー…まあ。」


私の唾液を飲み込む音と、伊藤くんの返事が重なった。


気まずそうに俯く伊藤くんの髪が、ふわりと揺れる。


「親父が、先輩の主治医で。何回か、先輩のお見舞いに行ったときに、先輩と先輩のお母さんの話がドア越しに聞こえて。」


そのとき、聞いたという。


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