何度でも、愛を叫ぶ。


だけど、その言葉を発する前に。


『危ない!!!』


車に轢かれそうになった彼女を、俺が守ったという。


意識不明の重体。


彼女も、大怪我を負ったと言う。


「でも、それがどうして彼女を責めることになんだよ!!」


「お前から陸上が奪われたからだ。中学でも、県代表。将来を期待されていて。」


期待されていた、将来。


だけど、その事故をきっかけに全てが失われてしまった。


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