眠り姫に恋したのは年下御曹司

いつもの彼

「莉乃、莉乃、起きて。」


「…………。」


「莉乃、遅刻するよ。」


「…………。」



一気に目が覚めていく。


閉じていた目を開けば、陽平の顔が間近にあり、そのままキスが落ちてきた。



「莉乃、起きた?」


「何時?」


「もうすぐ7時半。」


「嘘、やばい。」



陽平の体を押し退け、慌ててベッドから出ていく。


背後から陽平の笑い声が響いているが、いつもの事だ。


洗面台に駆け込み、朝の支度を整えていく。



「莉乃、朝食は?」


「食べる。陽平は?」


「一緒に食べてく。コーヒー?」


「うん。」



陽平の大きな声がキッチンの方から聞こえてくる。


陽平が朝食を用意してくれているようだ。


急いで朝の支度を終わらせ、服も着替えてリビングへ向かった。


陽平はスウェットのままでダイニングに腰掛けていた。


これもいつもの彼だ。
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