眠り姫に恋したのは年下御曹司
「莉乃、今週末は結婚式の見学だから。」


「わかってる。陽平も大丈夫?」


「大丈夫。」



こんな会話も最近では耳にするようになった。


陽平は本気だった。


前から『結婚したい』とは言われていたが、陽平は本気だった。


購入したマンションも広めで、最初から子供も暮らせるように考えていたみたいだ。



『莉乃、この鍵は俺と莉乃の未来を作っていく鍵だから。』


『未来?』


『そう。莉乃、結婚して、子供も作って、ずっと一緒に暮らそう。』



陽平から手渡されたマンションの鍵がプロポーズだった。


もちろん婚約指輪も貰ったが、それは2人で選んだものだ。


私にとってはあっという間の話だったが、陽平にとっては恋に落ちてから長かったそうだ。


それでもキッカケは…………やっぱり大樹が現れた事だった。


一気に陽平の気持ちが結婚へと傾いていき、即行動に移していた。


私が断らないと確信しての行動だった。
< 192 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop