眠り姫に恋したのは年下御曹司
陽平の唇も冷たかった。


真冬の寒さを感じた。



「陽平、上がる?」


「ううん、会いたかっただけだから。」


「明日の朝も会えるでしょ?」


「今、莉乃に会いたかったから。」



陽平が私を抱きしめる。


私も陽平の背中に腕を回して抱きしめ返す。



「少しでも会いたかった。」


「無理はしないでね。」


「こうやって莉乃を抱きしめると安心する。」


「ふふっ。」



玄関で靴も脱がずに陽平が私を抱きしめている。


ここまで想ってくれる男は初めてだ。


陽平とは色々と初めての経験が出来る。



「莉乃、いい匂いする。」


「お風呂に入ったからかな?」


「温かい。」


「お風呂で温まったから。」



陽平が私から離れていく。


近距離にある顔を見上げる。



「また明日の朝。」


「うん、気を付けて帰ってね。」



陽平のキスが落ちてくる。


滞在時間は10分ぐらいだろうか?


陽平は自分のマンションに帰っていった。
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