葵くん、そんなにドキドキさせないで。

コクリと頷いて、先に歩いていく大野くんのあとに続いた。



この沈黙が、なんだか気まずい……。




私が伝えたいことを大野くんに言ったら、


もう今までみたいに話せなくなってしまうかも。



でも……悲しいけど、私がどうこう出来ることじゃないもんね。





「それで？話したいことって？」





着いた渡り廊下で、まぁ、何となく分かるけど、なんて続けた大野くん。



……どうしよう。


いざ、言おうとすると、うまく言葉が出てこない……。





「あ、あのね、」


「うん」


「大野くんは、優しいし、カッコいいし、女の子の扱いをよく分かってるし」


「……」


「だから、こんな私よりももっと他の子の方が、」


「華子ちゃん」