葵くん、そんなにドキドキさせないで。


うずくまったままそう言うと、

仕方ないなぁ、とでも言っているようなため息をつかれた。





「華子ちゃんの、そういうところが好き」


「……ありがとう」





こんな私のことを、好きになってくれてありがとう。







「ちゃんと振ってくれて、ありがとね」







私は、またぐっと涙をこらえた。







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