好きです、センパイッ!!
眉を寄せて、ムスッとしている先輩。
面倒くさいことになったな、って、絶対思ってるでしょ。その顔。
「……トイレ」
「あっ、こら!逃げんな!」
柴田先輩の声を無視して、高広先輩は教室から出て行く。
先輩がいなくなった教室で、私はずいっと柴田先輩に近づいた。
「柴田先輩っ!なるみさんが高広先輩の初恋相手だって本当ですか!?」
「うぇっ?ほ、本当だけど……」
柴田先輩によると。
幼なじみ同士だった2人は、中学でも仲が良くて、高広先輩はなるみさんに密かに片想いをしていた、と。
『……俺、なるみのこと好きだったんだよなー……』
なんて柴田先輩に言ったのは、中学の卒業式のあと、なるみさんに彼氏ができてからだったみたい。