好きです、センパイッ!!
どうせいくら拭ったってこの涙が止まるわけじゃないから、
もうそのままにして廊下を歩いて行く。
階段を降りて、ローファーに履き替えようと靴箱へと向かった。
用もないのに、放課後残る人なんて滅多にいない。
……だから。
「……え」
靴箱の近くでしゃがんでいる睦月を見つけて、私はとってもビックリした。
「遅えよ」
なんて、そう言った睦月は、スマホから顔をあげて私のことを睨む。
「な、なんで?」
私、睦月と一緒に帰る約束してないよね?
どうして睦月まで残ってたの?
「柚木に頼まれた」
「えっ、柚木に?」
睦月によると、柚木は私のことを心配していたみたいだけどバイトがあるみたいで残れなかったらしい。
そっか、だから睦月に頼んだのか……。