好きです、センパイッ!!
先輩が、こっちを向いて、私の名前を呼んだ。……気がした。
それだけで嬉しくなってしまう私は、なんて単純なんだろう。
「先輩っ、今日も、カッコ良かったですよ!!!」
そう叫ぶと、先輩は目を丸くして眉を寄せた。
あ、私あの顔知ってる。
照れ隠しをするときの顔。
すると、ブブッとスマホが鳴った。
⦅そーいうの、一々言わなくていいから。あと、そこから動くなよ⦆
メッセージの送信者は高広先輩。
慌てて窓の外見ると、先輩の姿は見えなくて。
代わりにニヤニヤしてる柴田先輩が。
少しムカついたからあっかんべーをした。
ハッ、ていうか、先輩が今からここに来る!!