好きです、センパイッ!!
手首を掴んで私を立たせた宗ちゃんは、ニッと悪戯っぽく笑った。
「後ろ、乗って。ちゃんと俺に捕まってろよー!」
「の、乗ってって……」
2人乗り?
ていうか私スカートなんですけど?
「ほら!早くしろって!」
「わ、分かったよっ」
仕方なくマフラーを腰に巻いて後ろに跨った。
ギュッと宗ちゃんのお腹に手を回す。
「やべぇ、なるちゃんいい匂いするんだけど!緊張するんだけど!」
「はぁ?バカなこと言ってないで早く動いてくださいー!」
私の言葉にケラケラ笑う宗ちゃん。
それから、自転車を漕ぎ出した。
だんだんスピードを上げていく。
冷たい風が、今は心地いい。
「……事情はよく知らねぇけど、」
「え?」
「なるちゃんは、なるちゃんだろ」
その言葉に目を見開く。