宮花物語
「白蓮……様と言うのは?」

「ああ。白蓮は、私の正后だ。」

「正后!?」

黄杏は驚いて、反対側を見た。

「そなたには、まだ話していなかったな。許せ。」

「いえ……」

まさか、一人も妃がいないとは思っていなかったが、恋に落ちた相手に、正妻がいるとは。

黄杏は、胸が締め付けられた。


「白蓮は遠縁の者で、生まれた時から、私の妃になる事が決まっていた。随分小さい時に、私の元へ嫁いできてね。一緒に育ったものだから、幼馴染みと言うか、友人みたいなものだよ。」

「友人……」

生まれた時から、結婚する人が決まっている人生。

それだけでも複雑だと言うのに、あまりにも小さい頃から一緒にいる為に、友人と言われて。

黄杏は、嫉妬したくても嫉妬できない、複雑な想いを抱えた。

「他には?どのようなお妃様が?」

「ああ。第2妃は、青蘭と言うのだ。」

「青蘭……様……」

だが信志の表情からは、微笑みが消えた。
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