意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!







「だから、あなたはどうか他の方とお幸せに。」



あと少しで、私の中から残された光は消え、



「そのためには、あなたの中の私を、消さなきゃいけませんね。」



彼の元へと流れていく。



その前に、



「あなたとの思い出は私が覚えています。だから、あなたは他の方との思い出を大事にしてください。」



彼の頬に触れ、私との思い出を消していく。



魔力なんてこれっぽっちも残っていないはずなのに、



なんでこんな事が出来るかなんてわからないけど、



きっとこれを、人はキセキと呼ぶんだろ。
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