艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
ノロノロと重たい足を引き摺るようにして、帰り支度を整えた私はエレベータに乗り込み、1階へ降りる。


ビルを出ると外はもう真っ暗で、ビルを隙間を吹き抜ける風が余計に寒さを感じさせる。

ビル前のロータリーを通りすぎ、駅に向かって歩こうした時だった。

私の視界に見慣れた人影が入ってきたから、私は思わず近くにあった植木の陰に身を隠す。



私の視界に入ってきた人影は駒宮室長と、それから郁ちゃんだ。

郁ちゃんは恋する乙女の表情をして、駒宮室長を見上げて喋っている。

駒宮室長はというと、私には絶対に見せない柔らかな表情で笑っている。


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