艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「おい、佐々田。帰るぞ。」

急に駒宮室長に話しかけられて、私は思わず姿勢を正す。


作業に集中していて、随分と時間が経っていたことに気が付いていなかったようだ。

時計を確認すると、もう終電が近い時間になってしまっている。

「いえ、もう少し頑張ります」

「終電、逃すぞ」

コートを羽織りながら、眉間に皺を作って困った表情を浮かべる駒宮室長がため息をつきながら呟く。

「終電逃したらタクシーで帰ります」

そう言って笑った私に、今度は駒宮室長のあきれ果てたような盛大なため息が降ってくる。



「企画なんて思いついてもいないのに、残業しても意味ないだろ?」

どうやら駒宮室長には私が嘘をついていることなんてお見通しだったみたいだ。


私は渋々、帰り支度を始めることにした。


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