艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます

本社の一角にある小さな部屋を新規事業開発室は与えられた。


まず第一段階の方針としては、自社通販システムの立ち上げらしい。

けれど、それ以外は何も決まっておらず、本当に1から自分たちで事業を始めないといけないらしい。



開発室にはミーティング用の大きなテーブルが1つ。

それからスタッフ1人ずつにデスクとパソコンが与えられた。


先週まで書類倉庫として使われていたこの場所には、あちこちに段ボールが置かれていることもあって、狭さと埃っぽさを感じる。



ふと辺りを見渡すと、他のスタッフはみんな本社からの異動のようで、デスクには前の部署からの荷物をたくさん詰めた段ボールが置かれている。


私はといえば、身体1つでの異動なわけで、デスクの上には一人だけ何も置かれていないという状況だ。


そういえば、さっきデスクの引き出しに入っていた、生まれて初めての名刺を見て、軽くテンション上がったんだった。



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