艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます

まどかさんが優秀で、新規事業開発室に異動するのにふさわしいスタッフだということは、一緒に働いているからこそ分かる。

だって、センスは良いし、背伸びをしないオシャレが親近感があってお客様からも人気なんだもの。

まどかさんがずっと担当しているウインドウディスプレイの商品を目当てに来店されるお客様だって少なくはない。


ただ、残念過ぎるのは、そのことをまどかさん本人が気が付いていないということだ。

後輩の私がどんなに頑張ってまどかさんの真似をしてみても、店長や祥子さんの手直しが入るというのに……。


『もう少しすれば、郁ちゃんだってきっと大丈夫だよ』


私が落ち込むと屈託のない笑顔でまどかさんは励ましてくれるけれど、まどかさんの天性のセンスは真似しようったってなかなかうまくは出来ないまま、もうすぐ1年以上が経とうとしている。


店長や祥子さんに全幅の信頼寄せられていたまどかさんが私にはいつもまぶしく見えていて、まどかさんにはどんなことだって敵う気がしない。

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