艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
祥子さんが私を、ちょうど休憩時間だからとランチに誘ってくれる。


「あんまり、時間取れなくてごめんね」

申し訳なさそうに肩をすくめて謝る祥子さんの姿に、私の方が申し訳なくなってしまう。

忙しいのにきっと店長に無理を言って、休憩時間を調整してくれたんだろう。

そんな何気ない優しさが、なんだか祥子さんらしい。


私たちは裏通りにあるパン屋で人気のベーグルサンドを買って、テラスに向かい合って座る。


「どうなの?新しい部署は?」

口いっぱいに頬張ったベーグルを、飲み込んだ祥子さんは私に優しく微笑みながら尋ねる。

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