艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「お疲れさまでした。また明日」

駅の改札口で私は、駒宮室長の背中に声をかける。

「おう」

凛とした背中越しに、低くてやけに色気のある声が返ってくるのを確かめて、私はホームへ歩き出そうとしたのに。

「佐々田。」

もう随分と聞き慣れたその声。

「はい?」

駒宮室長が私を呼ぶ声が穏やかなおかげで私は緊張することなく、ゆっくりと振り返る。



「さっきの質問だが……。いないって言っておけ。」

ぼんやりとして頭を巡らして、残業中に私が質問した内容を思い出す。

『駒宮室長って彼女いるんですか?』

さっきの私の質問に答えてくれたのだということに気が付くまでに少し時間がかかってしまったけれど、思い出してまた恥ずかしさを覚える。




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