艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「ねぇ、郁ちゃん。その好きな人って…」

「それで、相手は誰なの?」


私が尋ねようとするよりも早く、祥子さんが前のめりになって尋ねる。

どうやら、気になっていたことは祥子さんも私も一緒だったみたいだ。



「……えっと、新規事業開発室の駒宮室長です」

駒宮室長。

なんだか聞き覚えのある名前に思いを巡らす。



ん、んん?


新規事業開発室の駒宮室長って……。



「新規事業開発室の駒宮室長?!こ、こ、駒宮って、駒宮一史?」

私が思いを巡らすことを遮るように祥子さんが驚きの声をあげたせいで、またもや私たちは店内のお客さんの冷たい視線を浴びることになってしまう。


< 8 / 262 >

この作品をシェア

pagetop