艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「わ、私も、ついさっきついたばかりで…」

意識しすぎて緊張した私の声がわずかに上擦ってしまう。

「待たせてすまない。予想以上に車が混んでた。じゃ、行くぞ」

駒宮室長は、それだけを伝えると、くるりと向きを変え歩き出してしまう。


い、行くぞって……。


雰囲気はいつもより柔らかくって、格好だっていつもと違うのに、不愛想な表情だってぶっきらぼうな口調だって、それから一方的な指示だって、いつもと同じ駒宮室長だ。


呆気に取られている私なんて気にする様子もなく、室長はどんどん歩いて行ってしまう。

私は、その背中を追いかける様にして、駒宮室長の半歩後ろをついて歩く。

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