番犬男子
洋館に残ったのは、今回の留守番組である下っ端4人と遊馬、それからあたしだけ。
下っ端たちは遊戯室に移動したが、あたしはお兄ちゃんの背中が見えなくなるまで、扉付近に立っていた。
「本当は無理言ってでも、ついていきたかったんじゃねぇの?」
遊馬があたしの隣に並び、あたしを真似て外を眺める。
あたしは遊馬には目もくれず、お兄ちゃんに夢中。
あ、もう、お兄ちゃんは見えなくなっちゃった。
「そうだけど、お兄ちゃんの荷物になりたいわけじゃないから」
これからパトロールする場所には、大勢いる繁華街はもちろんだが、不良が群がってる危険な場所も含まれている。
そんなところでは、あたしの天才的頭脳より、実践的な技術や体術が役に立つだろう。
あたしがついていっても、何もできない。
さっきお兄ちゃんの手が触れた肩に、熱が帯びる。
もう、お兄ちゃんに会いたくなっちゃったよ。
「じゃあさ!」
テンションが急降下してるあたしとは裏腹に、超元気な遊馬の声がホールに反響した。