4・傷だらけの秘密
掃除になかなかと言っていいほど、身が入らなかった。

(結ばれたんだ…)

ぽけーっと、ひかるはそんなことを思った。

豪に気持ちを伝えて、豪と結ばれた――その事実に、自分は都合のよ過ぎる夢を見ているんじゃないかと思った。

初恋の人と再会しただけでも嬉しいのに、相手も自分に恋をしているとは思ってもみなかった。

お互いの気持ちを伝えあって、そして…結ばれた。

目が覚めた時、これらの出来事が夢だったらどうしようとひかるは不安になった。

でも、夢じゃなかった。

隣に眠っている豪がいたことに、ひかるは夢じゃなくてよかったと心の底から思った。

「今日も仕事が終わったら、ひかるちゃんのところにくるね」

今朝、豪はそう言って仕事へと向かった。

その後ろ姿に、ひかるは自分の胸がドキッ…と鳴ったのがわかった。
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