だから、笑って。




教室に入ると、いつもと変わらずガヤガヤと賑やかだった。



「あっ、菜乃花ちゃんおはよう!」

「おはよう!」

手前のクラスメートに話しかけられた。


「そういえば菜乃花ちゃん、知ってる?昨日の間宮くんのウワサ!」


「あー!それ知ってる!ほんとショックだったー」

その隣にいた子も混ざってきた。


「何かあったの?」


「えーっ知らなかったの?!間宮くんさ、昨日女の子と帰ってたんだって!しかも、手を繋いで!!」


あっ・・・。

思い当たる人が私しかいなくて焦った。

「そ、そうなんだー・・」



ちょうど、その子の声が少し大きかったからか、その噂は瞬く間に広がった。


「おい!凜!お前、誰と帰ったんだよー?」

クラスの男子たちが凜くんにとっかかる。


里沙を見ると、里沙はニヤニヤしてこっちを見ていた。



「うるせーなあ」

凜くんは面倒そうな顔をして答えた。


「おいー?言わねーと、俺らその女を探し当てて告白しよっかなー?」


「はー。本当面倒くせえな」

そう言って凜くんはずかずかと私の方に歩いてきた。





「えっ・・!」


凜くんは私を抱き寄せた。



「こいつは俺のだから」


「「キャーーーー!!」」

クラス中に黄色い悲鳴が響いた。



凜くん、大胆すぎるよ・・・!


凜くんって意外とこういうことする人だったんだ・・・!
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