だから、笑って。
❁1

✿ ハジマリ



随分と懐かしい出来事を思い出していた。


ちょうどあの病室からは、桜の花が満開に見えていた。


そして今、高校生になった私は高校の窓から見える桜の木を見て、お兄ちゃんのことを思い出していた。





お兄ちゃんがこの世を去ってから、はや10年が過ぎようとしていた。






私は当時中学生だったお兄ちゃんの年を追い越した。





月日は望んでいなくても、無勝手に流れていく。



お兄ちゃんは今も私のことを見てくれているのだろうか。









< 9 / 132 >

この作品をシェア

pagetop