愛を知らない一輪の花

運転中の蓮が、少し気まずそうに百合に声を掛けた。


「昨日結局、無理矢理な感じで承諾させたけど、、、一緒に住んでくれるか?」


「はい。ご迷惑でなければ、私を置いて下さい。家賃はおいくらですか?」


「家賃なんていらない。それよりも余裕がある時でいいから、飯作って?また百合の作った飯食いたい。」

「えっ。でも、、、、そんなことだけでは、申し訳ないです。」


俯く百合の頭に優しく手を置く。


「いいから。不規則な生活だからかなり助かるよ。はい、これ家のカギ。時間が合えば、一緒に帰ろう。荷物もとりにいかなきゃだし。仕事が終わったら連絡して?じゃあ、また夜に。」

そう言うと、もう既に本社の駐車場に着いていて、慌てて車から降り、蓮と別れ足早に本店に向かった。
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