永く青い季節 〜十年愛〜
機材を全て車に積み込み、トランクを閉める音が、地下駐車場に響いた。
「もう今日で最後なんだね…」
「そう…だね…」
気の利いた言葉など、何も浮かんで来ない。
きっとそれは彼も同じだ。
「美織…元気で」
「幸もね…」
そんなありきたりの言葉を交わすのが精一杯だった。
彼が車に乗り込み、バタンとドアが閉まり、エンジン音が響き渡ると、私の胸は言いようのない想いに駆り立てられる。