永く青い季節 〜十年愛〜


「えっ、何?」

「ごめんなさい、嬉しかったんです。面と向かって誉めて貰ったこと、なかったんで」

「そう…だっけ?」

「あの頃、自分に自信が持てない私は、先輩にいろいろな言葉で支えて貰いました。感謝してるんです。
でも、いつもそれはメールだったし、さっきみたいに女性が喜ぶような言葉を、まさか先輩が言うとは思わなくて…」

「そっか…俺も世間に揉まれ、それなりに成長したかな」


最初こそぎこちなかったが、自然に笑い合えていることで心の中が温かくなったような気がして、
これが、“想い出に変わる”ということなのかな…と何となく思った。
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