女性たちに告ぐ
くノ一21

男性と女性が、街中でデートを楽しんでいる。しかし女性は、背後に異様な気配を感じた。振り向くと、大勢のアベックが歩いている。不審な人物はいない。気のせいか。

食事中、また誰かに見られている気がする。周囲を見回しても、不審者はいない。
ホテルに入った。やったね。ベッドイン。

おかしい。また、人の気配がする。二人しかいないはずなのに、なぜ。カメラでも、あるのかしら。誰か、いるの?

女性はバスロープを着て、室内を探し回った。天井を見ると、黒装束姿の女性が、「×」の字でへばりついていた。九の一だ。

女性は、天井から下りてきて正体を現した。男性の母親だった。自宅からずっと、つけていたようだ。息子のプライバシー、なし。

毎回、息子のデートに、ストーカーのごとくつけているようだ。心配なのだ。女性の誘惑から守るために、母親が見張っているのだ。勘弁して。

女性「あたしも、将来、こんな母親になるのかなー」


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