【完】こちら王宮学園生徒会執行部
めずらしい用事だなと思いつつも、それを了承して。
朝ごはんにしようとキッチンに足を踏み入れ、昨日のお昼の買い出しの際に買っておいたのはホットドッグ用のパンを取り出す。
それにチーズを挟んで電子レンジであたためたあと、レタスと焼いたソーセージを挟む。
ケチャップとマスタードをかければ完成で、ホットドッグにスクランブルエッグとトマトを添えてお皿に乗せた。
スープ……は、コーンスープにしよう。
夕飯にスープを作る時はできるだけ手作りにするけど、朝は大体粉末のもので済ませてしまう。
「そろそろできるわよ」と彼に伝えて、スープ用のカップに粉末を入れる。
そこにお湯を注いで、お皿とカップをダイニングテーブルへと運んだ。
「コーヒーのおかわりいる?」
「ああ、悪いな」
すっかり慣れたやり取りに、結婚しても上手くいきそうだな、とか思ってしまう。
彼のコーヒーのおかわりを用意してから、先に食べてねと告げて、一度洗面所に向かった。
歯を磨いて、ドライヤーで髪を乾かす。
それからリビングにもどれば、気を遣わせたくなくて先に食べてと伝えたのに、彼は律儀にも他のことをしながら待っていてくれて。
「冷めちゃうから、先に食べてって言ったのに」
「お前が作ったのに悪いだろ?
それに、飯ぐらい一緒の方がいいしな」
「……、うん。そうね」
ありがとうと言って、席につく。
彼は本当に、わたしと過ごす時間を何よりも大切にしてくれるから。
「いただきます」
わたしも、彼と過ごす時間を大切にしたい。
今だけではなく、これから先もずっと。