【完】こちら王宮学園生徒会執行部
「いつみ……!」
「……どうした? そんなに慌てて」
「や、その……着物、ありがとう……」
早急にシャワーを終えて、お風呂を出る。
せっかく浴槽にお湯を張っておいてくれたけれど、あんまりゆっくり浸かることもできないまま、急いで服を着てリビングに行けば。
彼は仕事をしていたようで、不思議そうに首を傾げる。
それから、「ああ」と、思い出したようにこぼしたあと。
「触っても全然起きなかったしな」
「!?」
え、触っ……!? 触った……!?
一体どこを触ったの……!?
「冗談に決まってるだろ。
着物なら、寝室のベッドの上に広げて置いてある」
「あ、うん。ありがとう片付ける……」
なんだか朝から妙なことになってる。
……いや、わたしが寝ちゃったのが悪いんだけど。
「ん。で、俺今日帰り遅くなるから」
「……? はぁい。ご飯どうする?
食べて帰ってこないなら、作っておくけど」
言えば、「なら頼む」と口にする彼。
家でご飯を食べるってことは、飲み会に参加させられるわけでもなければ、夕帆先輩とご飯に行くわけでもないらしい。