【完】こちら王宮学園生徒会執行部
「なんとなく聞いただけ。
っていうかさっきの異国交流の話だけど」
「……まだその話終わってなかったのか」
「ひとり日本人の留学生がいて、
その子が何やら南々瀬ちゃんの知り合いらしいんだよな〜」
「………」
「しかもとんでもない美形男子」
「………」
「おまけにその子。
南々瀬ちゃんに会いたくて来るらしいけど?」
ふっと笑みを浮かべて言えば。
さっきまでの不機嫌さとは別のそれで表情を歪めたいつみが、伏せて置いていたスマホを手に取る。
「お前、マジで性格悪いな」
視線鋭くそう吐き捨てる幼なじみ。
マジでその目は幼なじみに向けるもんじゃねえと思う。なんて思いながら、南々瀬ちゃんにわざわざ連絡するいつみにニヤニヤとしていたら。
「ああ、そうだ。
いくみがこの間、お前に黙って飲み会行ってたぞ。しかも酔っぱらって真夜中に電話してきて、俺に介抱させやがった」
「はあ!?」
「あと一歩遅かったら男の毒牙にかかってたかもな。知らねえけど」
楽しげに笑って、電話が繋がったのか落ち着いて話し始めるその横顔を思わず引っ叩いてやりたくなった。
うん。……マジで、性格悪いのはどっちだよ。