気付けば、君の腕の中。
折角夏が来るのだから、一緒に海に行って遊んだり、ショッピングモールで水着を買ったりしたいのになあ…。
今思ったことを口にすると、目の前でタピオカ入りのミルクティーを飲む奈々美が苦笑していた。
「もう! 最近絢華はその幼稚園に行ってばかりだし、全然うちのクラスにも来てくれないから寂しかったのよ!!」
「だ、だって…奈々美のクラス入りづらいんだよ…」
「あー…、うちのクラスは頭のいい人を集めたようなところだからね…」
久しぶりに奈々美と遊ぶ約束をしていたあたしは、学校の最寄駅から近い、ショッピングモールに来ていた。
オシャレなカフェに入るのは、白くんに強引に連れられてから一度もなかったから、緊張してしまった。
「それで、奈々美は彼氏できたの?」