気付けば、君の腕の中。


そうだとしても、朝から家の前にいるのは珍しいなあ。


「…あ、もしかしてお姉ちゃん待ち?」

「あァ?」


月城は中学一年生のとき、初めてお姉ちゃんを見た時から一目ぼれだった。


それに呆気なくあたしの初恋が散ったのは、もう過去の話だ。


何だ、お姉ちゃん待ちだったんだ。

今お姉ちゃんに彼氏がいるかは分からない。


それでも月城はずっと一途に思い続けているし、たまにあたしにお姉ちゃんの面影を重ねてきたけどもう慣れっこだ。


先に行くね、と言いかけたあたしの腕を掴む月城。


首を傾げると、月城は珍しく頬を真っ赤に染めた。


「…お前も待ってろ」


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