Letter――伝えられなかったことば――
「先生ー??」
社会準備室のドアの隙間から先生を呼んだ。
「来たんかぁ。ここせまいから 外出ようかぁ。」
先生がアタシの方に綺麗な瞳を向けた。
やっぱり 急にほっぺが熱くなってきた。
「どれが分からんのー???」
アタシは「これ……」と言いながら メモを見せた。
「ふんふん…………」
一人 満足そうに頷きながら アタシが書いてきたメモに一通り 目を通していった。
「分かる???」
「バカにすんなよー??社会の先生なんやから。」
そう言って アタシにおどけた表情をつくり またメモに視線を落とした。
横顔も
なんとなく可愛いくて。
先生の隣で小さく微笑んだ。
「よし!!じゃあ 日本列島思い浮かべてな??」
近くにあった高さの低い靴箱の上にメモをおいて アタシよりも顔の位置を低くした。
そうすると自然に先生が上目遣いになるわけで。
そんな先生をみて またほっぺが熱くなるのが分かった。