天空に一番近い蒼~女子校体育教師と生徒の恋の場合
それから再び水道設備のフェンスを乗り越えた私たちは、やっと屋上の『いつもの場所』に戻ってきた。

いつの間にかもう5時間目の授業は始まっている。



「まだ顔色悪いな。保健室で休むか?」



先生が私の顔を覗き込む。それから



「あ…なぁ?」



とやにわに問うた。



「お前、クラスと名前は?」



流石に担任に言い付けられる…

そこから家に…

そして…



私は俯いて、

「…2年3組、青海、唯。」

と小さく答えた。



「へぇ。お前青海って言うんだ?」

「……」

「3組…宇都宮先生のクラスか。

じゃあ、先生に言っとくよ。



青海が非常階段で具合悪そうにしてたんで保健室連れてきました、って。」



「!!」



「なんか不都合?」



私はぷるぷると首を振った。



「だからもうあんな真似はしないで。

何かあったら俺に相談する。

いいな?」



先生は小指を立てて右手を差し出す。



「約束。」

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