気付いて、届いて
時間はゆっくりと過ぎていった。

会うたびにキレイになる彼女。

いつも愛しくて、ニヤけてしまうから、焦る。

時間は過ぎると言うより、積もっていくみたいだ。

ちょっとずつ溜っていって、彼女はまた可愛くなる。

そして、俺の愛情も溜っていく。

付き合い初めて、1年をすぎようとしていた。

長いようで短い。

一通りのイベントはあった。

実を言うと、彼女の誕生日、クリスマスは一緒に過ごしていない。怠慢ではない。忙しくてあけられなかったんだ…。

「記念日とか気にしないよ」

いつもの表情で彼女は言った。

怒りも悲しみも伺い知ることができない表情。

しかし、楽しげでもない。

いまだに掴めない感情。

言葉だけに納得するしかなかった。

いや、それは言い訳か。

彼女のこと、全然わからなかった。
< 16 / 17 >

この作品をシェア

pagetop