この恋は、きみの嘘からはじまった。
今日はここまで決めたらおしまいで、明日から空いた時間を使って準備に入る。
「来た人が泣き叫ぶ姿を見るの、楽しみね」
フフフって怪しげに笑うのはもちろん奈々ちゃん。
文化祭、奈々ちゃんがしたいのはできなかったけどけっこう乗り気みたいだ。
大道具って言っても、宣伝用の看板作ったり壁を作るくらいみたいだから、そんなに時間はかからない。
夏休みもあるし、楽しいことできるし結果オーライ!みたいな?
奈々ちゃんを見ていると、いつもはなに考えているのかわからないけどいまは簡単に伝わってくる。
「じゃあ、バイトあるからもう行くね」
「うん、また明日!」
奈々ちゃんに手を振り、私はスカートのポケットに入れていたスマホを取り出す。