この恋は、きみの嘘からはじまった。





それしか思いつかない。



お弁当を食べていた手を止めて、そっと箸を置く。





「琴乃?
もう食べないの?」


「うん。
食欲ない……」


「まだ具合悪い?」


「そうゆうわけじゃないけど……あ!」






司くんのメッセージで喉が詰まって変に緊張して食べることができない。


それを濁していたら、私の持っていたスマホを奈々ちゃんに抜き取られた。





「奈々ちゃん!」


「行きなよ、これ」


「え」


「あたしと一緒に昼するのも、まだ如月と微妙な感じになってるってことでしょ?」


「……うん」




いつもは司くんと食べるから、奈々ちゃんと一緒に昼休みを過ごしていることが決定的な証拠になる。





「琴乃の気持ちはわからんでもないけど、そうやってるといつまでたってもなにも変わらないよ」





奈々ちゃんには全て話しているから、真剣に私のことを考えて言ってくれている言葉だってわかる。


いつだって奈々ちゃんは私のことをいちばんに考えてくれるから。






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